シルベストサイクルのスタッフ&ベテランチームメンバーによる「どうしてもおすすめしたい」サイクルグッズのインプレッション集です。
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「おまけ」に追記しました。

完組みホイール全盛の中にあって、私はまだ手組みホイールを組むことが多いのですが
完組みと手組み、どちらが優れているのでしょうか?

私なりの答えは「リムが軽くて 剛性があればどっちでもいい」なのですが、
完組みホイールはストレートスポークであったり スポークの材質がアルミやカーボンだったりして
スチールスポークでは太刀打ちできないスポークテンションで組まれているものが多いです。

ただ完組みホイールというものは大量生産の既製品です。どこの誰がどんな風に使うのか 個々に想定することが
できないという性質上、基本的に安全マージンの高い 頑丈(=重い)なスペックにせざるを得ません。

手組みのホイールであれば 乗り手の使用頻度や体重や乗り方に応じて さじ加減がききます。
これが手組みの有利な点です。現行の材料でホイールを組むとするなら
WOならマヴィックのオープンプロ、チューブラーならENVEの1-45で組めば、
走行性能(といっても色々ありますが)で完組みホイールの上位グレード品を
上回るものを組むことができると思います。

私見では、WO部門ならマヴィックR-SYS系とフルクラム初代レーシング1、
チューブラー部門ならライトウェイトとレイノルズRZR系は
手組みで再現あるいは凌駕できない性能を持っていると感じました。
それ以外のたいていのホイールなら 手組みのほうが総合的に(または部分的に)良いものができる
可能性があります。ぜひご相談下さい。

一例を挙げれば、オープンプロのリムでキシリウムSLより軽いホイールを組むことが可能です。
が、その条件を満たしつつキシリウムSLより硬く感じるホイールはまず組めません。
また、オープンプロのリムで(少なくとも縦方向には)キシリウムSLよりも硬く感じるホイールを組むことが
出来ますが、そのホイールはキシリウムSLよりも重くなります。
このあたりのさじ加減と ホイールの寿命やコスト、空力的な要素も加味して ある人の使用用途において
手組みのほうがベターだと思える場合があり得るということです。

また、当たり前ですが手組みのスポークホイールでは 整流効果でディスクホイールに太刀打ちできません。
手組みホイールが万能というわけではありません。適材適所です。

画像 465
これらの完組みと太刀打ちできる手組みを組むにあたって、32Hハブに限り 最高の材料が
カンパニョーロ・レコードだと思います。カップ&コーン式のフリーボディハブの最高傑作ではないでしょうか。
というのが今回の話です。

カンパニョーロのハブは、ハブ単体・完組みホイールのハブ部分共に2002年に現在の構造になりました。
大径アルミシャフト+圧入ボールレース式カップ&コーンの構造です。
DSC08130.jpg
2002年から2006年までは同じシャフトです(上の写真 上)。
2007年からはバテッドした新シャフトになり、重量も軽くなりました(同 下)。

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↑2002~2006年

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↑2007年~

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ハブボディの寸法も優秀です。
少しハイローフランジで、標準的なハブ寸法からみれば右フランジは広め(かすかですが、これが大事)なので、
異常なオチョコにならないのもいいところです。
何より、CULT化できるのが大きいですね。

また、ある時期のライトウェイトのホイールは・・・
DSC08157.jpg
DSC08159.jpg
カンパニョーロのリヤハブが そのまま埋め込まれているものがあります。
これもCULT化可能です。というかしました。

CULTに関しては(→こちら)をどうぞ。

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2006年までのフリーボディ(以下 旧・上の写真 上)と2007年以降のフリーボディ(以下 新・同 下)には
互換性がないので、以下の点に注意です。

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旧シャフト対応のフリーボディは丸穴ですが、
DSC08137.jpg
新シャフト対応のフリーボディは120°位相で切欠き形状の穴になっています。

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新シャフトと新フリーボディは位相の合うところで差しこめば はまります。
新シャフトに旧フリーボディも互換性があります。

DSC08144.jpg
ところが旧シャフトは新フリーボディには合いません。
切欠きがないので、途中で詰まります。

DSC08152.jpg
カンパニョーロのフリーボディのベアリングは 表側にはシールがありますが、
ハブ内部に向く部分にはシールがありません。
これはグリスホールからグリスガンでグリスを充填することが出来たことの名残りです。

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シャマル12Hリヤは、

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ハブ胴・フリーボディともにグリスガンでグリスアップ可能です。

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↑このいもねじがグリスホールのフタです。

DSC08214.jpg
シャマル16Hリヤは、

DSC08215.jpg
ハブ胴・フリーボディともにグリスガンでグリスアップ可能です。

DSC08216.jpg
↑このいもねじがグリスホールのフタです。

カンパニョーロはボスハブの昔から ハブ胴に穴を設けてグリスアップできるようにしていました。
フリーボディハブの時代になると、フリーボディ部分にもグリスホールを設けました。
その伝統は2006年まで続きます。

DSC08153.jpg
旧フリーボディに旧シャフトを突っ込むと、隙間がピッチリ埋まります。
(といっても回転する以上、かすかに隙間があるわけですが)
グリスガンでグリスを充填すると、この隙間から古いグリスが出てきます。
このために内側にシールを設けていないんですね。

DSC08155.jpg
ところが2007年以降のハブでグリスを充填したとすると、
シャフトのバテッド部分にグリスが溜まってしまいます。そのためフリーボディに
グリスホールは設けられていません。が、内側シール無しはそのままです。
浸水が皆無というわけではないので、ベアリングがダメになったらフリーボディそのものを交換します。
カンパニョーロのスペアパーツで フリーボディのベアリング単体の販売はありませんが、
フリーボディ全体で買ったとしても きちんとケアした場合の寿命から考えれば高いものではありません。
カンパニョーロの2002年以降のハブベアリングはボールレースを交換することが出来るので、
ハブボディさえ健在なら半永久的(大げさ?)に使うことが出来ます。
この点はカンパニョーロならゾンダ以上、フルクラムならレーシング3以上の完組みホイールも
該当します。これらはCULT化も可能です。

フリーボディのグリスホールがなくなった理由がもうひとつ。
DSC08146.jpg
カンパニョーロのアルミフリーボディなら いもねじのねじ山の厚みを確保できますが、

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シマノ互換のスチールフリーボディでは、厚みがないので無理です。
カンパニョーロがシマノ互換のフリーボディを出し始めたときにあったアルミの10S専用フリーボディは
ロックリングがカンパニョーロ規格だったことで不評でしたが、あれにも一理あったということです。

カンパニョーロのハブは現行ではレコードのみで、32Hの仕様のみとなりました。
いつハブをやめるか分からない?ので、32Hの手組みもいいなと思った方はご相談ください。




おまけ
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G3スポークアレンジメントで左右均一に近づいた(良くなった)スポークバランスを
フリー側をクロスさせることにより また悪くしてみました。これは使えます。

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ニップルの位置がごく近いペアスポークのホイールは、左右交互にスポークを間引くと
1本あたりのスポークの担当範囲が均一に近くなります。
ハブ穴の位相がほとんどずれていませんね。
でもホイールをよく見るとスポークの間隔が 広い→狭い→広い→狭い・・・となっています。
これは一応使えます。立ちこぎ厳禁です。下りも攻めれません。

WH-77XX-F.jpg
7700のホイールをハブが前方向に絞られたとき、突っ張る方向だけ残してみました。
イタリアン組みの外側スポークと同じです。といっても前輪なので、あんまり関係ないのですが。
よく見ると十字型のハブからスポークが出ている部分、手前側はハブ外側、向こう側はハブ内側から出ています。
これはJIS組みだからです。JIS組みにする理由は、スポークのあやどり部分に付ける
こすれ防止のプラスチックパーツが1種類で済むから、ではないでしょうか(もしイタリアンなら2種類いる)。
あるいは前後方向を意識せずにホイールをはめても問題ないように・・・ですね。
これはさすがに使えません。

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これは普通のモランボン組みです。スポークの方向はイタリアンで組んでいます。
32Hで6本組みなので第2クロスもあやどりしました。ダブルクロスモランボンです。
これは普通に使えます。普通のホイールと遜色ありません。よく「大丈夫?」ときかれますが、
「16Hの前輪に何の疑問もなく命を預けている人もたくさんいる中、これは32Hもある」というのが
私の答えです。あるいは「大丈夫?」ときかれているのは、ホイールを指してのことではないのかも知れません(笑)。

画像 058
画像 060
画像 061
フリー側ですが、モランボンを2回転ねじってみました。スポークのリムへの入射角がとんでもないことになっています。
これ以上のディープリムだと組めません。アルミニップルも使えません。
実走は可能だと思いますが、ローラー専用ということにしています。
反フリー側はダブルクロス&結線ハンダ付けです。剛性確保に関して後ろめたさを感じたからです。

DSC08199.jpg
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40段変速(フロントダブルの場合)のリヤホイールを作ってみました。
4600ティアグラの11-25T(右)と12-30T(左)を付けています。
ダブルコグは便利・・・かと思ったら
11-25 11-12-13-14-15-17-19-21-23-25
12-30 12-13-14-15-17-19-21-24-27-30
↑赤いところがかぶってます。ギヤは20枚、実質13速です。
しかもラスト5枚を軽い順に並べると右→左→右→左→左となるのでメリットは全くありません。
あと、ひたすら重いです(当たり前だ)。
ひとつ分かったことはハブフランジを狭くすると劇的に横剛性が落ちるということです。
スポーク張力をいくら上げても、さほど横剛性に変換できている気がしません。
これは・・・ちょっと使えません。
片側カンパニョーロ・片側シマノにして変速調整用のホイールを作ればよかった。

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余談ですが、フルクラムやカンパニョーロの完組みホイールは横剛性重視でオチョコがかなりきついです。
これだけ左フランジが広いと、単純に考えれば左右のスポークバランスは最悪になります。
が、見ての通り 超ハイローフランジや2:1ないしG3スポークアレンジメント、
さらにローハイトリムであればニップル位置のオフセット化で左右バランスの是正を図っています。
左フランジをハブ中央に寄せると、たとえ数mmでも劇的に横剛性が確保しづらくなります。

ホイールの基本は「剛性>バランス」ですが、バランスの問題をないがしろにしているわけではありません。
バランス>剛性なら、さきほどのダブルフリーボディホイール、左右のフランジが同じ幅なので
ある意味 前輪です。左右バランスは最高ですが、剛性は最低です。
右スポークがギンギン、左スポークがフニャフニャな普通のホイールの方がはるかに走ります。

画像 466
あるメーカーでは24mm高リムのモデルは左フランジ寸法を広くとる&オフセットリムなのですが、
画像 467
リム高が50mmになると左フランジの位置をわざわざ狭くしています。
スポークの前面投影面積を空力的に考えると有利なことと、
スポークのリムへの入射角が 垂直に対して近くなる(リムに無理がかからない)ことが
メリットだと思われますが、横剛性は間違いなく落ちます。
スポークの短さとリムの高さが ホイールの横方向の変形量の軽減に有利に働いている
(フランジを詰めたことをチャラにしているほどかは不明)とは思いますが、
50mmリムでも左フランジが広い方のハブで組むことは出来るはずです。
35mmリム高のモデルは、50mmリム高と同じ仕様のリヤハブです。

これがバトンホイールになると、構造の特性上 スポークホイールの理屈が通用しません。
画像 468
↑ゼンティスのマーク1TTです。この見た目で、軽量ホイールと同程度の軽さというのがすごいです。

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上から見ると、バトン部分がリムの幅から張り出していません。

画像 470
かなり大げさかつ大雑把に言うと、バトンホイールのごっついブレード1本は、
空力的には2mmの丸スポーク1本と一緒です。
このホイールの場合、空気をかき乱さざること2mmのスチールスポーク4本くらいのごとし、
というわけです。大げさと書きましたが、実際こういうホイールを使うとそんなに誇張した表現ではないな、
と思わせるだけの何かがあります。プロがTTの前輪にこぞって使うわけです。

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動画でお見せできないのが残念ですが、これより長い時間 回転する前輪はほとんどないというホイールです。
(カップ&コーン部門のCULT改の方が長時間まわります。工業用ベアリング部門ではこれが一番です)
長い時間回すコツの最後はホイールのバランス取りになるのですが、
2つあるマグネットを可能な限りリム側に付けるとマグネットの側を下にして最終的に止まります。
これを可能な限りハブ側に付けると、マグネットの反対側を下にして最終的に止まります。
なので、2つのマグネットの位置を任意に変えてやることで、回る時間と 最終的に止まる位置を調整できます。
1グラムの鉄のワッシャーをマグネットに付けただけでも最終位置が変わるので バルブの長さはもっと大きな要素です。
最終的にブランコ運動に入りますが、慎重にバランスをとればそこに至るまでの時間を調整できます。

これは過去 常用していましたが、今は「よく回る前輪テスト」の物差しになっているので使っていません。

DT 18H R Hub
DTに昔Hugi(フギ)というハブがありました。ラストエンペラーは多分関係ありません。
このハブ、リヤで18Hがあったんです。片側9本になるので、普通にクロスしていくと「XXXXI」となり1本余ります。
上の写真ではフリー側を「XIXIXI」で組んでますが一応「ЖЖЖ」でも組めます。
「XIXIXI」のほうがバランスはいいでしょう。
スポークがチタンに見えるのは気のせいではありません。

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ROVAL(ローヴァル)というホイールメーカーがあります。
スペシャライズドのホイールブランドで フルクラムの2:1をパクったホイールを出している、
と思っている方もいるかもしれませんが、ローヴァルは元々フランスのホイールメーカーです。
(今はスペシャライズド傘下のようですが)
上の写真のホイールで 普通のホイールとちがう点といえばハイローフランジ、ストレートスポーク、
リム内蔵ニップル、右が左の2倍スポーク数、とアイデア目白押しです。ハブの回転もスルスル軽いです。
おそろしいのは、これが1990年モデルのホイールだということです。
「右が左の2倍スポーク」の元祖はフルクラムではありません
1990年といえば日本にスペシャライズドの国内代理店が初めてできた年ですね。
これ、フリーボディーホイールではありません。なんとボスハブです。
オーバーロックナット寸法が126mmなので、今のフレームには合いません。
ほぼ手組みホイールしかなかった時代に、ここまで思いつくというのがすごいですね。

ディスクホイールを除く完組みホイールとしては1997年のマヴィック・ヘリウムよりもずっと先になりますが、
完組みホイールというものが手組みホイールをほぼ駆逐したきっかけという意味では
やはりヘリウムが最初の量産完組みホイールということで間違いないです。

右が左の2倍スポーク数というアイデアはローヴァル以外にもありました。
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その名もヴァーチカルデサント。垂直落下という社名ですが、いまでは存在しないようです。

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シマノHG8速とあるのは、9速がまだ世に出ていなかったからです。
HG8・9・10速対応です。2/1リヤハブとありますが・・・

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ハイローフランジ&オチョコが大きくなる左フランジ寸法で、
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右が左の2倍スポーク数です。
36Hのハブなのでディープリムでは組めません。
(物理的に無理なのではなくて、36Hのディープリムを出しているメーカーがまずないという意味です)
ということはローハイトリムで組むわけですが、ローハイトリムはニップル穴の位置が交互に左右に振っています。
なので実際に組むと
リム   バルブ穴から 右左・右左・右左・・・(右左×18)
スポーク バルブ穴から 右右左・右右左・右右左・・・(右右左×12)となり、
穴振りと逆にスポークを通すことになる部分が出てきますが、致し方ないです。

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スズエの一輪車用のハブでコリマのウイニウムを組んでみました。一輪車レース用の機材です。
ハブという表現が適当なのかは分かりません。ハブ胴とハブシャフトは一個の物体です。
ハブシャフトに対してハブ胴が回らないので、振れ取り台での調整が独特です。
ハブシャフトがBBシャフトでもあるので、ここにクランクアームを直接付けます。
一輪車なので1ケイデンスでホイール1回転です。
サドルに明確な前後があるのとバック走行を基本的にしないということなので、イタリアン組みにしました。
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2012/03/25(日) 22:40 | | #[ 編集]
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2012/03/17(土) 17:27 | | #[ 編集]
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